きっちゃん
夕方に猫のきっちゃんは静かに旅立ちました。
これはあたしの実家にいる猫ちゃんです。
実家の祖母が亡くなった年に、玄関の前におかれたこねこでした。
たまたまその日は、実家で夕食をとるためにみんな集まっていました。
遅れて帰宅した夫が手のひらに子猫を乗せて「こんなのいたけど・・」
と部屋に入ってきたのがはじまり。
玄関から来た・・ということで
「げんかんきたぞう」という名前になり
実家の両親がそのまま飼いはじめました。
その後、弟夫婦に娘が二人
あたしに息子が一人
それぞれ生まれて、みなこのきっちゃんと仲良くしながら
大きくなりました。
とくに我が家は実家のすぐ近くだったこともあり
息子はそこで育ったようなものです。
きっちゃんと一緒に育った息子にとっては
特別な存在だったように思えます。
(我が家にも「とらち」という猫がおりました。とらちのおはなしはまたこんど・・)
病気の父も、それを支える母も
きたぞうの存在にどれほど癒された事でしょう。
お世話をしなくてはならない弱いものが家の中にいるということは
それだけで人をしっかりさせるのです。
あまえじょうずで
わるいことをすることもなく
おだやかな正確の猫ちゃんでした。
夜には弟一家もお別れに来てくれました。
みんなに愛されて
そして
みんなを愛してくれたきっちゃんに
たくさんのありがとうを涙と一緒に花束にして
おくります。


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